前立腺がん

はじめに

今まで前立腺の病気はあまりなじみがありませんでしたが、数年前に天皇陛下が前立腺がんの手術を受けられてから広く知られるようになりました。
前立腺は男性の膀胱の先に尿道を囲むようにあるクルミ大の臓器で、精液の一部を作っています。
前立腺の病気の代表は、肥大症とがんです。いずれも50才を境に増えてきます。

前立腺肥大症

前立腺が肥大して尿道を圧迫するので、尿が出るまでに時間がかかる、尿が細くてチョロチョロしか出ない、切れが悪い、出し足りない気がする、尿の回数が増える、等の症状が出ます。症状のチェックシートで今の状態をみてみましょう。あてはまる数字に○をつけてみて下さい。

疑わしい場合は、超音波検査を受けると前立腺の大きさがわかり、診断がつきます。

治療はほとんどの場合、薬を飲んで経過を診ていきます。

前立腺がん

前立腺がんはもともと欧米に多い病気でしたが、近年日本でも急激に増えてきています。高脂肪食など生活習慣の欧米化や人口の高齢化などが原因と考えられています。

2006年の前立腺がん患者数は4万2千人で、男性では胃、肺、大腸に次いで第4位でした。これが2020年には7万人に達し、肺に次いで第2位になると予想されています。

前立腺がんは進行して膀胱や尿道を圧迫するまで症状が出ないため、初期には気づかれません。
50才を過ぎると発症が急に増えてきますから、高齢者の方はぜひ検診を受けるようにしましょう。
早期に発見すれば多くの場合、根治できます。

PSA検査

PSA検査は前立腺特異抗原のことで腫瘍マーカーです。採血して調べます。
前立腺がんはPSA値が高くなるにしたがって発見率が高くなります。

費用

①PSA(横浜市がん検診)

40~69歳 1,000円
70歳以上 無料

②超音波(保険診療)

1割負担 600円~830円
3割負担 1.800円~2,500円

おわりに

当院でこの1年間に横浜市の前立腺がん検診を受けてPSAを調べた方は24名でした。そのうち6名がPSA高値で病院で精密検査をしたところ1名にがんが見つかりました。幸い、早期でしたので薬の服薬で経過をみているところです。
他のがんもみなそうですが、体のアチコチに広がってしまってからでは治療はとても困難になり、根治は望めません。
私も年に1回、必ずPSAを調べるようにしています。早期発見のためにぜひ検診を受けましょう。

Q&A

  • Q:前立腺肥大症から前立腺がんになりますか?
    • A:なりません。別々の病気です。ただし、排尿障害等の症状は共通するのでPSA値を測ってみる必要があります。
  • Q:前立腺がんは遺伝しますか?
    • A:親が前立腺がんだと危険度は7.5倍、兄弟の場合は2.5倍になるという報告があります。
  • Q:性交渉で相手にがんがうつることはないですか?
    • A:前立腺がんはそのようなことはありません。
  • Q:食事と前立腺がんは関係ありますか?
    • A:乳製品、カルシウム、脂肪、肉を過剰に摂取すると前立腺がんになりやすいといわれています。一方、大豆、緑茶、セレン、ビタミンE、リコピン(トマトの赤い色素)、魚、コーヒー、野菜は前立腺がんの発症を予防すると考えられています。

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