肝臓がん

はじめに

ひと昔前までは肝臓がんというと「お酒の飲みすぎだよ」と云われたものですが、近年、肝炎ウイルス(B型・C型)との関連が明らかになり、これを治療することで肝臓がんを予防できるようになってきました。

肝臓がんの80~90%はウイルスが原因です。特に多いのはC型肝炎ウイルスで約70%を占めます。
今日では治療も以前に比べはるかに容易になってきましたので、検査をしてウイルス感染が見つかったら積極的に治療を受けましょう。

急増する肝臓がん

肝臓がんで亡くなる人の数は1975年には年間1万人前後でしたが、2014年には、がん全体では肺、大腸、胃、膵がんに次いで死亡数は5番目に多く、毎年3万人以上の方が亡くなっています。

年齢的には40歳代から増えはじめ、特に60歳代からは急増します。
原因の70%はC型肝炎、15%がB型肝炎、そして残りの15%がアルコールや脂肪肝などです。
ウイルスに感染すると、肝炎、肝硬変、そして肝がんを発症します。

肝炎ウイルスの検査を受けましょう

そこで先ず大切なことは、これらのウイルスに感染していないかどうかを調べることです。
ウイルス性肝炎は、全国で約300万人と推計され、感染していながら知らない人、あるいは治療を受けていない人が約200万人近くいるといわれています。
血液を介して感染しますので、過去に輸血や血液製剤の使用、注射針や カミソリの使い回し、ピアスの穴開け、脱毛、鍼治療、入れ墨、性的接触などの機会があればリスクは高まります。
特に65歳以上の方は100人に1~2人がC型肝炎ウイルスに感染していますので、この年代の方は要注意です。
まだ一度も検査を受けたことのない市内在住の方は、無料で検査を受けられますので、是非受けるようにして下さい。(横浜市緊急肝炎ウイルス検査)

治療

  1. C型肝炎
    • 少し前まではインターフェロンを注射することが一般的でしたが、近年新しい抗ウイルス薬(ダクラタスビル、アスナプレビル、ソホスブビル、レジパスビルなど)が次々に開発され、薬を飲むこと(例えばハーボニーの場合は12週間)で、ウイルスの治療ができるようになりました。
      副作用も少なく効果も高いので、以前のように長い間仕事を休んだり、入院する必要もありません。
  2. B型肝炎
    • キャリア(ウイルスを持っているが発症していない状態)を除くB型慢性肝炎の方には、インターフェロンと核酸アナログ製剤でウイルス量を持続的に低用量に保ち、発がんを抑制します。

これらの治療の難点は治療費が高いことですが、神奈川県の肝炎治療費助成制度を受けられますので、月額自己負担限度額(所得に応じて1または2万円)を超えた額は助成されます。(受付は中福祉保健センター:045-224-8332

危険因子

ウイルス感染が最大の原因であり危険因子ですが、その他にも以下の事が関連しますので心当たりの方は注意して下さい。

  • アルコール…大量飲酒は控える。(肝機能が正常でもビール中瓶、ワイン2杯、日本酒1合まで)
  • タバコ…殆どのがんの危険因子。今すぐやめる。
  • カビ毒(アフラトキシン)…ナッツ、スパイス、ドライフルーツに生える。古いものは食べない。
  • 糖尿病…コントロールする。
  • 脂肪肝、肥満…やせる。

今後、日本で増加が予想されるのは非アルコール性脂肪肝炎による肝癌や肝硬変といわれています。食べ過ぎや肥満にはくれぐれも注意しましょう。

おわりに

現代は、がんが急増しています。2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。その多くは原因が分からず予防もできない状況です。
その中にあってウイルスや細菌が原因で発症するがんは、それらを駆除、除菌することで予防ができるのです。これは素晴らしいことですね。胃がんのピロリ菌、子宮頸がんのヒトパピローマウイルスも同じです。
肝臓がんで亡くなられる方が1人でも少なくなりますように、まだ1度も調べたことがない方はぜひ検査を受けましょう。

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